京都・古知谷 - 九輪草咲く阿弥陀寺
2019/05/18
京都府京都市左京区 阿弥陀寺
大原の里を過ぎ、
旧道沿いにしばらく走ると古知谷に至ります。
その山の中にあるのが阿弥陀寺さんです。
秋は紅葉が美しい場所ですが、
本当の見所は山野草。
副住職さんが大切に貴重な花を育てています。
玄関でまず出迎えてくれたのは苧環(オダマキ)。
大原エリアではちょくちょく見かけられます。
書院への廊下の右手には白糸草(シライトソウ)。
初めて見ました。
さて。今日のメインです。
書院奥のお庭にこの時期に咲くのは九輪草(クリンソウ)。
すっと伸びた茎の上に円状に花が付きます。
ちょっと遅いかと思っていましたが、丁度いい咲きっぷりです。
紫色の花が中心ですが、黄色い花をつける株も。
他にもピンクやエンジもありました。
もともと奥には建物があったのですが、
昨年取り壊され、そこもお庭になりました。
玉砂利も入れられて、時間の経過とともに洗練されています。
ずっと楽しみにしていただけに、
これだけの量が見られて満足です。
カラフルでいいですね。
計算されて植えられてるんだと思います。
このお庭の見方は色々あって、
雪見窓越しの九輪草や、
ガラス戸を閉めきってのリフレクション
なんていう楽しみ方もあったりします。
通り雨が降り、山寺のお庭は一層艶やかに。
花曇りの空模様が、湿地に生える九輪草の美しさを際立てます。
お庭が二段構造になったことで、
こんな上向きの額縁も撮れるように。
いつ来てもカメラマンを楽しませてくれるお庭です。
お庭に降りることもOK。
こうして間近で楽しめるのも阿弥陀寺さんならではです。
この角度で全色入りました。
白も入れると5色ありますね。
庭の隅っこにしゅっと立ち上がっているのは雪の下(ユキノシタ)。
満開まではもう少しですね。
本堂の間にあるお庭には都忘れ(ミヤコワスレ)。
濃い紫色の花弁が特徴です。
本堂から古知谷カエデの新緑を望みます。
タムケヤマのえんじ色といいコントラストになっています。
本堂の軒下には、高山植物の駒草(コマクサ)が!
まさかこんなところでお目にかかれるとは思いませんでした。
北アルプスや木曽駒ヶ岳まで登らなくては見られないコマクサ。
これは貴重です。撮影にも気合が入ります。
本堂から外にも様々な植物がみられます。
石楠花の陰にはひっそりと二葉葵(フタバアオイ)の葉が。
雨が降り、苔もイキイキ。
苔の芽がこんな遠目でもわかるのは、
崖の上に立つ阿弥陀寺さんならではですね。
受付奥のお庭には海老根(エビネ)と白罌粟(シラゲシ)。
お堂の上の新緑も素晴らしいです。
こちらがエビネ。
色とりどりの花を咲かしています。
奥の古いお堂と相まって、渋い一枚に。
右側には石を包むように白罌粟が。
罌粟の花。初めて見ました。
知らない花シリーズはまだまだ続きます。
手前の黄色いのが金蘭(キンラン)。奥が銀蘭(ギンラン)です。
絶滅危惧種がさりげなく植えられているのが阿弥陀寺さんらしいです。
こちらは甘野老(アマドコロ)。
鳴子百合(ナルコユリ)とそっくりですが、茎の形で見分けます。
茎が四角いのが甘野老。丸いのが鳴子百合です。
最後に石段で出迎えてくれていた九輪草に挨拶して、
阿弥陀寺を後にしました。