京都・花園 - 陰翳礼讃の世界 妙心寺春光院 特別公開
京都府京都市右京区 妙心寺春光院
2019/07/06
妙心寺春光院さんの夜間拝観へ。障壁画を”灯り“で愉しむ美しさ、谷崎潤一郎の陰翳礼讃の世界観を垣間見られました。
※写真多めです 笑
普段は訪日観光客向けの宿坊や座禅体験を行う春光院さん。なかなか門を潜れる機会がないので、開いてると知り、訪れました。
庫裏で拝観受付を済ませます。特筆すべきは17:00からの公開ということ。夜のお寺ってちょっと特別な感じがします。
襖絵なども全て撮影OK。とても良心的です。
こちらは南蛮寺の銅鐘と呼ばれ、重要文化財指定。織田信長が京都に建立を認めたキリスト教会堂で使われていた銅鐘だそう。様々なご縁があって今春光院にあるそうです。
イエスキリストを意味するIHSの字と十字架が見られます。下の3本の釘はキリストに打たれた釘を意味するとのこと。幕府の目を恐れ、朝鮮伝来の鐘といったり、戦時中に供出を免れるため酒樽に入れて竹やぶで隠し守ったそうですよ。
それでは方丈へ..
こちらの金の屏風絵が特別公開のメイン。狩野永岳が描いたとされる金碧障壁画です。
特別公開のタイトルは、「 夜、金の秘密が見えてくる」。テーマは谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界観です。
描かれた当時は電気もなく、ロウソクの灯りひとつで絵を楽しみました。そこで金箔を使うことで、少ない光で部屋全体を明るくする効果をもたらしたんだそう。
豪華な金箔のイメージでしたが、そう言われるとガラッとイメージが変わりました。
部屋の中央に置いてあるのがロウソクの火を模したLEDによる灯台。空間を印象的に浮かび上がらせます。
谷崎潤一郎の陰翳礼讃を、一度読んだことがあったのですが、その中で金の美しさ・演出効果を述べています。
まさにその陰翳礼讃の中に書かれていたイメージがここにありました。
お庭の方に目を向けてみます。
禅宗のお寺ながら、方丈を背にして左側に伊勢神宮の外宮。
右側に内宮の代わりに天岩戸を配しています。これは春光院の姉妹寺の慶光院が以前伊勢神宮内にあった事が由縁のようです。
ちょっとずつ暗くなって灯りが印象的に浮かんできました^^*
楽しみなブルーアワーまであと少し。
だいぶ暗くなってきました^^
こんなかたちで襖絵を眺められると思っていなかったので、かなり興奮しました。
外に出ると庫裡が浮かび上がっています。
角度を変えれば三日月。いい夜です。
とても貴重な体験をさせていただいた、妙心寺 春光院さんでした。
「夜、金の秘密が見えてくる」
公開は8/4まで。
17:00-21:00(最終受付20:30)
¥900/副住職の声を収録した音声ガイド付き