絶景と脚フェチ。
みなさま。
いつもご愛読いただきありがとうございます。今回は、いつもと少し趣向を変えて、僕が好きなものを紹介したいと思います。少し長いですがお付き合いください。笑
突然ですが、「懸造り(かけづくり)」ってご存知ですか?日本の建築技法のひとつなのですが、とりわけ断崖絶壁で多く見かけることができます。
例えば清水寺。
一度は教科書で見たことがあると思います。
「清水の舞台から飛び降りる」という言葉があります。そのまさしく舞台は「懸造り」で作られています。別名、「舞台造り」ともいいいます。
崖の形に合わせて支柱の長さを変え、その上にお堂を建てる。結果的にそれが、現代の人々を魅了する建築物になりました。
ふつう、建物は地盤が平らな場所に建てられます。坂道にある家も、盛り土か斜面を削って平らな土地の上に作ります。
しかしながら、山間にあるお寺や神社の建物の中には、崖にせり出して建てられたもが見受けられます。
なぜ、そこまでして、その崖に立てなくてはいけなかったのか。
日本には古来、山岳信仰という宗教観がありました。いわゆる霊山といわれる山々を信仰の対象とした考え方です。
浅間神社は富士山を信仰対象とする神社ですし、富士塚というのが各地にあるのも、身近に富士山に登ることができる場所として作られたものです。
また、修験道といった仏教と神道が習合した教えもあり、その開祖である役行者は様々な山で修業したといわれます。
密教との強いつながりもあり、今日の真言宗や天台宗、それらを祖とする単立宗教の多くの寺院が、急峻な山の上に立ち、古刹・名刹に数えられます。
つまり、神体・信仰対象となる山の上に仏像や神像を納めるお堂を建てるためには、どうしても崖に足場をかける必要があった。そこでうまれたのが懸造りです。
つくづく、昔の人は無茶苦茶な建て方をしたものだと思いますが、今もなおこうして日本全国に300か所以上の懸造りが残り、清水の舞台のように求心力のある場所にもなっていると考えれば、その存在価値は明らかで、生み出した人はすごいクリエイティブだと思います。
こんなものが突然山の中に出てくるのです。もちろんそこからの眺めは絶景ですし、下界から山に張り付いたお堂を見れば、ランドマークにもなります。
こちらは京都・嵐山の千光寺の大悲閣。木の陰になっていますが、懸造りで建てられた絶壁に立つお堂です。嵐山の亀山公園から桂川の対岸に眺めることもできますし、もちろん渡月橋の南詰から徒歩で20分ほど上流に向けて歩き、お参りすることもできます。
そんな「懸造り」に出会う度に、並々ならぬ人々の強さを感じます。昔の人のパワフルさ、信仰心の強さを感じる一種のパワースポットといえるでしょう。
絶景と共にある懸造り。フェチズムであり、マニアックな領域ですが、日本にある懸造りをめぐり、「日本の懸造り」というサイトを運営する飯沼氏が、この度書籍を発刊されました。
(僕も一部写真を提供させていただいています^^)
それがこちら。
『日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり』。
▼Amazon
▼楽天ブックス
全国100カ所を豊富な写真をメインに簡潔な解説付きで全編カラーでまとめた一冊です!
帯を下げれば、さらにスケールアップさせられます。
( ^ω^)・・・と、冗談はさておき、超山奥にある全国の絶壁建築を、手元でたったの1800円で楽しめます。実際に行くとなれば、体力も資金力も必要ですが、この一冊で楽しめるのはおトクの一言に尽きます^^♪
雑誌感覚で読めますし、ぜひお手元に一冊!そして、縁を感じたところに足を運んでみてください!(僕は保存用と閲覧用2冊手元に置きました笑)
「すごい!」「なんで!」の連続をぜひ、僕のブログの読者の方にも感じていただきたくご紹介しました!一人でも多くの懸造りファンが、増えることを願います(^^♪
買ったよコメント、ブックマーク大歓迎です!