京都・東山 - 建仁寺霊源院 甘露の庭 見納めです。
京都府京都市東山区 建仁寺霊源院
2019/06/02
皐月の開花の報せが届くころ、
ここ建仁寺霊源院では青いお花が咲き始めます。
その名は甘茶(アマチャ)。
見た目は額紫陽花(ガクアジサイ)そっくりですが、近縁種の別個体です。
一番身近なところで言えば、4月8日のお釈迦様の誕生日(灌仏会)に、誕生仏にかけている液体はこの甘茶の葉を蒸し、乾かし、煎じたものです。
実は紫陽花の葉には毒があるのですが、甘茶には毒性がありません。
だからこそ、飲用することができ、その味はとても自然な甘みを感じられて美味です。
お庭のいたるところに甘茶が植えられており、甘露の庭と言われます。
まさに霊源院さんならではの景色です。
しかし、こちらのお庭。今年が最後なんです。
どうやらお庭を回遊式庭園から枯山水庭園にするそう。
こうして青々と葉や花を開かせる姿も、見納めになるかもしれません。
珍しいお庭だからこそ、惹かれる部分もあったのですが、
かえってどんなお庭にされるのか楽しみではあります。
あ、でも、門前かどこかには甘茶を数株残していてほしいですね。
個人的な感情ではありますが(笑
軽く雨が降り、装飾額にも水滴が。
あ、そういえば紫陽花や甘茶の花は、写真右上の小さな星型の部分です。
真花といいます。花弁に見えるのは額なんですよ。
それではお茶券を出して、甘茶をいただきましょう。
お菓子は去年に続き、塩芳軒さんです。
今年からお庭の見え方がだいぶ変わりました。
このお茶席には障子が入っており、こんな額縁でたのしむことはできませんでした。
(最後に去年の写真をご紹介しますね)
また、こちらの書院からの眺めも少し変わりました。
以前はアルミのサッシが入っていたのですが、今年からは取り除かれたようで、だいぶ見やすくなりました。
こうしてお庭をより楽しめる環境を整えられる霊源院さんです。
枯山水のお庭になっても、きっと素敵なひと時を過ごせる空間にしてくださることでしょう。
門前の甘茶の中にはひっそりと布袋様。
まぁ、楽しみにしとれ。と言われたような気がします。
今年が見納めとなる、霊源院の甘露の庭でした。
*特別公開は2019年6月16日(日)まで。拝観時間は10:00~16:00。拝観料500円。
*公開期間が18日(火)まで延長になりました。(20190613追記)
▼昨年の特別公開の様子です▼
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【撮影地データ】
名称 :東山 建仁寺 霊源院
(れいげんいん/Reigen-in Temple)
宗派 :臨済宗建仁寺派
本尊 :薬師如来
創建 :応永年間初期(1394年〜1428年)
拝観 :通常非公開
駐車場:なし
その他:建仁寺塔頭
住所 :京都市東山区大和大路四条下ル小松町594