京都・京北 - 圧巻の雪景色 常照皇寺の冬
2019/01/26
京都府京都市右京区 常照皇寺
僕が京都で最も好きなお寺・常照皇寺の雪景色をお届けします。
最初に申し上げておくと、写真の枚数とても多いです。これでも削ったのですが...笑
周山街道から国道477号線を東へ。
京北井戸町に入れば常照皇寺です。
60年間に及ぶ南北朝時代。
北朝最初の天皇となった光厳上皇が1362年に開基した、臨済宗天龍寺派の禅寺であります。
さて、長い参道の階段を登り、勅額門を入ると右手に大きな池があります。
灯籠が一基置かれ、瓢箪のような形が特徴的な碧潭池。
言葉が出ないほど、美しさに磨きがかかっています。
撮っているうちに雪が強く舞ってきました。
灯籠の上にもこんもりと雪が乗っかっています。
左手に見えるのは勅額門の壁伝いにある香積門。
いささか碧潭池だけで時間を使い過ぎてしまいました。
と言いつつ、碧潭池。
どこを正面に見ても美しい心惹かれる池です。
勅額門から勅使門を見上げます。
勅使門下の苔むした階段も今日は一面真っ白です。
近づくと階段の急さがよくわかります。
聳え立つ勅使門と五本線の入った土壁。威厳を感じる配置です。
懸魚には鶴が彫られており、反対側には亀が彫られています。来訪の際、気にしてみてください。
振り返れば勅額門。
銅板葺の屋根に積もった雪は、橋の袂にどっさりと落ちています。白く染まった屋根も美しいことでしょう。
庫裏に向かう道から勅使門を振り返る。
このカエデの木と勅使門の配置がとても好きで、訪問時には必ず撮ってしまいます。
奥に見えるのは舎利殿の足組み。懸造りという建築技法です。
時間をかけて庫裏に到着。
ああ、ここまでが長かった..笑
このどっしりとした構え方に、憧れというか、心惹かれるというか。
寒いのでとっとと中に入りましょう。
臨済宗の方丈らしく、南北に3室ずつ計6室の空間があります。上座となる北東角の部屋は書院造りになり、一段上げられています。
杉戸絵に描かれた桜がとても印象的で好きなのですが、作者は一体誰なんでしょうか。
どなたかご存知ありませんか?
こちらが方丈南庭。
御車返しの桜も雪化粧しています。
脇を見てみると坪庭に南天が。
石もだいぶ雪で隠れてしまっていますね。
雪対策で支柱がかけられているところにも、並々ならぬ桜への愛が感じられます。
勅使門の欄間。◯を重ねた花狭間はシンプルながら美しい幾何学模様です。
僕が花狭間に興味をもつようになったきっかけも常照皇寺から。
方丈北側の庭はダイナミックな斜面を活かした池泉回遊式庭園。借景の山々の濃淡が、白銀の世界に立体感を与えてくれます。
水面も薄ら氷が張るほどの冷え込み。
こんなにも表情を変える水を、ここで感じられました。
山の天気は変わりやすく、急に吹雪き始めました。自然を前にして人間は非力であることを感じさせられます。
しばし、雪の常照皇寺をお楽しみください。
さて、碧潭池に戻ってきました。
そろそろお暇いたしましょう。
山国陵の参道から。
普段なら影で目立たぬ勅額門も、今日は森の中に浮かび上がります。
名残惜しいですが、次の場所へ。。
参道に足跡を残さぬよう、回り道して戻ってきました。
また一つ、京北の美しさを憶えた常照皇寺の雪景色でした。
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【撮影地データ】
名称 :大雄名山万寿 常照皇寺
(じょうしょうこうじ/Jyoshoko-ji Temple)
宗派 :臨済宗天龍寺派
本尊 :釈迦如来
創建 :1362年(貞治元年)
拝観 :9:00~16:00
駐車場:あり(無料)
その他:木造阿弥陀如来及び両脇侍像(重要文化財)
九重桜(国指定天然記念物)
境内全域(京都府指定史跡)
住所 :京都府京都市右京区京北井戸町字丸山14-6